ベンチプレスを教えてもらったことが無い人へ

ベンチプレスを習ったことが無い人に知ってほしいことをまとめます。

知ってほしいこと

バーの握り方

ベンチの寝方

ウォームアップの仕方

視界と目線について

ベンチプレスってベンチに寝てバーを上げ下げすればいいんでしょ?

それだけでもないんだよ。安全に効果的にやるには想定外の知識が必要なんだ。

バーの握り方

この記事の中で一番最後の「視界と目線」が一番興味深いと思います。それでも命にかかわるので一番つまらない「バーの握り方」から説明します。既に自分のフォームが決まってる人は読み飛ばしてください。

必ずサムアラウンドで握る

バーはサムアラウンドで握ります。親指がバーの向こう側に出る握り方です。サムレスグリップといって親指をバーの手前に置く握り方もあります。その方が少し力が出しやすいですが、バーを滑らせて自分の体の上に落下させる危険があります。米国ではベンチプレスでバーを落下させて死亡する人が何人もいます。これから始めるのでしたら必ずサムアラウンドで握ってください。

バーは重いので掌全体で加重を受け止めます。そのため人差し指と親指の間から始まり、小指の付け根に向かってバーを握ります。握るというよりその位置にバーを乗せる感覚になります。

手幅は81cmが一般的

ベンチプレスの競技では「手幅は左右の人差し指間で最大81㎝とする」と決まっています。なるべくワイドで握るほうが重量が挙がるので普通は81cmギリギリで握ります。もちろん、それ以外でもトレーニングになればOKです。

バーのマークはベンチプレス用のバーは81cmにマークがついています。ウェイトリフティング用のバーを流用してベンチに使ってるジムでは91cmにマークがついています。マークの無いものや両方のマークがあるものもあります。

腕の骨の真上にのせる

グリップを横から見た時、バーが腕の骨の真上にくるように握ります。バーは重いので手首の筋肉では持ち上がりません。手首を動かす小さい筋肉を傷めないためにバーが腕の骨の真上にくるようにします。手首を返す握り方はまだフォームが決まってない人は避けた方がよいです。

常に肘の真上に手首が来るようにする

バーを挙げ下げするとき常にバーが肘の真上にくるようにします。バーは重いので、肘まわりの小さい筋肉では支えられません。バーが肘の真上から外れると前腕の筋肉や肘を痛めます。肘がかならずバーの下に来ていることを確認しながらやることで怪我が防げます。

バーは剣状突起の上におろす

バーがかならず肘の真下にくるので、挙上したときに肘が手前にくるのでバーも手前、つまり肩の方に来ます。そのまま間違った動作で垂直にバーを下すと鎖骨の上にバーが降ります。これはダメです。バーはつねに肘の上にあるようにします。バーを下すとバーは斜め下方、足の方に向かって下がっていきます。このことは良く理解しておく必要があります。結果としてバーが下がった状態では胸の乳首のあたり、つまり骨で言うと剣状突起の上のあたりに下がってきます。バーは肩の真上から剣状突起の上に向かって斜めに動きます。決して垂直に動くわけではないのです。

左右水平に下す

右利きの人は右手の方が大きく動く傾向があります。そのため、右側が先に下がる場合があります。そうするとバーは全体として右に振れます。重いのでそのモーメント力で右が先に疲労します。どちらか一方が先に下がらないように注意します。

ベンチの寝方

肩甲骨を寄せる

ベンチに寝たらまず肩甲骨を寄せます。これは大胸筋を可能な限りストレッチするためです。大胸筋がストレッチされた方が筋肉が大きく使えます。そのため効果もあがりますし、挙上重量もあがります。

僅かにブリッジ気味にして肩甲骨をベンチに押し付ける

思いっきりブリッジする必要ありませんが、寄せた肩甲骨が挙上中に開いてしまわないようにするために身体をブリッジ気味にして肩甲骨をベンチに押し付けます。

筋トレ目的ならブリッジしなくていい

ベンチプレスでかなりのブリッジをしている人がいます。これはブリッジをしたほうが挙上重量が上がるからです。理由は真上に押すより、斜め下に押した方が力が出ます。つまりディクラインベンチプレスをしているのと同じになります。挙上重量を気にしないのであればブリッジしなくて良いし、大胸筋の中央部をメインにやるのであればブリッジ無しでやるのが普通です。

ウォームアップの仕方

必ずバーだけで試し挙げをする

安全確認のためバーにプレートをつけない状態で試しを挙げをします。ラックオフが問題なくできるか、バーを元の位置にもどせるか、セーフティバーが安全に使えるか、挙上動作の途中でバーがラックにぶつからないか、など確認します。毎回、必ず確認してください。重い重量を挙げている最中に「しまった!」じゃ遅いんです

バーをラックに戻したときの風景を覚える

安全確認したら、バーをラックに戻して、頭の位置を覚えます。頭をベンチにつけて、目線を真上にしたとき、バーが天井の模様や、周りにある構造物などの中でどのように見えるか覚えます。毎回同じ位置に頭がくるように寝るのは、とても重要です。位置が狂うとラックオフの感覚や安全も変わりますし、それ以上に次に述べる同じ位置に挙げることが難しくなります。

視界と目線について

毎回同じ位置にバーを挙げるためにとても重要です。重量が重くなってくると頭で理解しているとおりに腕を動かすのが難しくなるからです。そのため視界を使います。

頭を動かさない!視線を動かさない!

バーを見たいのは理解できます。でも頭をうごかしてはいけません。また、目玉を動かしてもいけません。視線はかならず真上を見続けます。ウォームアップで覚えたバーの動きと同じ動きを本番でやるためです。

ウォームアップのときにバーの出てくる位置を覚える

ウォームアップつまりプレートをつけない状態のときに、自分が理想とする軌道でバーを動かします。目線は天井をに固定します。そのとき、腕がどれくらいの位置に来たらバーが見え始めるか覚えます。またバーが視界に出てくる位置も覚えます。

何書いてるんだ?と思う人もいるとおもいます。真上に視線を固定すると、バーは挙上途中に視界にはいるんです。視界の半分より少し下の方まで上がって、また下すと消えていきます。どこから、どれくらい腕をあげたときに出てくるか覚えます。

【最重要】ウォームアップの時にバーの最終位置を覚える

ウォームアップのとき、バーの最終位置を覚えます。これはとても大切です。視線で追いかける癖がつくとバーは毎回異なる自由な軌道を描くことになります。グッと我慢して視線を固定してバーが視界にでてくる位置からバーを出し、正しい最終位置まで上げます。その間、先に書いたバーと肘の位置を意識して、左右の水平を意識します。

まとめ

実際のトレーニングの重量組み方や回数はいろいろあります。ここではそれ以前の基本だけまとめました。参考になればと思います。

なるほどね いろいろあるのね

そうなんだよ。トレーニング以前に知っておくいた方が良いことが沢山あるのがベンチプレスなんだ。